お読みいただきありがとうございます。
突然ですが問題です。
3歳の子供が通称「卵」と呼ぶ、野菜はなーんだ?
正解は、こいつです。
アボカド!
栄養価抜群なうえに、美容にもダイエットにもいい!と、いいことづくめなアボカド。
ぽんすけも大好きで、スーパーで1個98円の特売を発見すると、思わず3個くらい買ってしまいます。
その日も、2個のアボカドを買い占めて、ほくほくのぽんすけ。
いつものようにアボカドでサラダを作っていると、ふとこんなことを思います。
「種、もったいないなー」
アボカドを調理してみるとわかるのですが、
アボカドの種って、5 cmくらいあって、結構大きいのですね。
夕食後の片づけのとき、
「何か使いようはないかなー」と、ぼーっとアボカドの種の皮をピリピリしていました。
・・・ん?
包丁のあとが、なんだか赤い!?
乳白色なアボカドの種からは、想像のできないような鮮やかな赤色です。
ここで、ぽんすけは「ピンっ!」ときてしまいました。
きてしまったのです。
ちょうど、「【簡単】桜の枝を使って桜染めをしよう!」という草木染めのブログ記事を更新したときでした。
アボカドの種で草木染めができるのでは!?
ということで、本日の記事は、
「アボカドの種でピンク色に草木染めしてみよう!」
です!
せっかくなら普段使いできるようなものを作ってみようと思い、
市販の「フェルト生地」を染めて、簡単なフェルトコースターを作ってみました☆
はじまりはじまり~。
用意するもの
1)アボカドの種(2個)
包丁でスライスしてください。
今回の記事では茶色い皮を剥いていますが、剥かなくてもOK!
2)フェルト生地(ウール混のもの)
必ず、ウール混(羊毛混)のフェルト生地をご用意ください!
手芸用品のお店に売っています。
100円均一に売られているフェルトはポリエステル100%がほとんどなので注意!
コースターサイズにカットしてください。
今回はシンプルに丸型ですが、ハートや星型もかわいくてオススメ☆
この記事では、白いラインのデザインを入れるため、フェルトに割りばしをつけています。
ゴムでぎゅっと、割りばしをとめてください。
こうすると、割りばし部分の色が染まらないので、染色後のコースターに白いラインが残ります。
3)鍋
ご自宅にあるものをどうぞ!
ただし、アルミ鍋は使わないでください (うまく染まらない可能性があります)。
草木染めの本で確認したところ、普段の調理に使っているものでもOKのようですが、気になる人は、別途ご用意ください(ダイソーで500円程度で売っています)。
今回はステンレス製の20 cm鍋を使いました。
4)バケツ
染料を一時的に保管するのに使います。
子供用のお砂場セットのバケツでも十分!
5)割りばし
布を染めるときに使います。
普通のはしでもOKですが、色移りしてしまう可能性があるので、使い捨ての割りばしがオススメです☆
6)はかり
電子ばかりがオススメ。
我が家ではタニタの電子ばかりを使っています。
7)洗濯用ネット
染料から、種をこしとるときに使います。
今回は捨てようと思っていた洗濯ネットを使いました。
排水溝ネットとかでも代用できます!
9)ミョウバン
自宅で実験をするときには御用達なミョウバンさんです。
5 gご用意ください。
アボカドから抽出した染色液を布にくっつけるのに使います。
10)重曹(粉末)
お掃除用のものでOKです。3 gご用意ください。
アボカド染めのやり方
ウール混の布をアボカド染めするには3つの段階があります。
1)アボカドの染料を作る
2)布に染料がくっつくようにする(媒染する)
3)布を染める
アボカドの染料を作る
500 ml~1000 ml 程度のお湯をわかして、アボカドの種&重曹(3 g)を投入!
(水量は鍋のサイズで調整してください)
30分ぐつぐつ煮ます。
5分も経つと、水が鮮やかなサーモンピンクになります!
さらにさらに、家中がエスニックなにおいに・・・!
煮始めは薄いサーモンピンクだった液体が、赤茶色になっています。
写真撮り忘れた・・・
今回は赤色の発色をよくするために、重曹を入れています。
重曹なしだと、薄いサーモンピンクな色になるようです。
粗熱が取れたら、バケツにネットをひっかけて、種をこしてください。
アボカドの染料のできあがりです!
布に染料がくっつくようにする(媒染する)
500 mlのお湯を沸かして、ミョウバン5 gを入れ、ミョウバン水を作ります
布をミョウバン水に入れて、10分間弱火で煮ます。
ときどき割りばしでつついて、布をムラなくミョウバン水に浸してください。
煮終わったら、布を手で絞っておきましょう!
布を染める
いよいよ染色です!
バケツでとっておいた染色液と布を鍋に入れて、弱火で20分煮ます。
煮ている間は、布を割りばしで動かしてください!色ムラが減ります。
20分煮ると、布に色がつきます。
ここで火を止めて、2時間放置して冷やしてください!
染色液から布を出して、しっかり絞ったら、
余分な染色液を水洗いしてください。
水洗いをしたあとも、しっかり布に色がついています!
あとは、これを陰干し、もしくは室内干ししてをしてください!
完成です☆
自然な色合いの赤ピンクのコースターができあがりました!
実用性もバッチリ!!
アボカド染めの注意点「初回の洗濯で色落ち・色移り注意!」
洗濯機で洗濯をすると、どうしても色落ち、色移りをしてしまいます。
2回目以降は大丈夫な場合が多いですが、洗濯前の方がキレイに発色していました。
染めたての色を大事にしたい方は、手洗いをオススメします!
桜染めとアボカド染めを比べてみた
「【簡単】桜の枝を使って桜染めをしよう!」の記事を参考に、アボカド染めと同じ方法で、桜染めのフェルトコースターも作ってみました!
左がアボカド染め、右が桜染めです。
どちらもピンク色に染まっているのですが、かなり色合いが違います。
アボカドと桜で持っている色素が違うようです。
ここでちょっとサイエンス!
草木染めでは、植物が持つ「色素」を抽出して布を染めます。
そもそも、植物は何で「色素」なんてものを持っているのでしょうか?
実は、植物の持つ色素には、
「植物が生きていくために必要な、いろいろな役割」があります。
例えば、植物が生きるために必要な光合成のための色素。
例えば、植物にとって毒になる、紫外線を避けるための色素。
例えば、虫や鳥に種を運んでもらうために、きれいな色の花や実を作るための色素。
それぞれの植物が、自分の住んでいる場所で元気に生活するために、
自分に合った色素を一生懸命作っているのです。
アボカドと桜では、住んでいる場所も、生活の仕方も全然違います。
アボカドと桜では、必要になる色素も違うので、持っている色素も違うのです。
どちらも同じような「ピンクっぽい色素」なのに、本質的には違う色素だから、アボカド染めと桜染めでこんなにも色合いが違うのですね。
「人が生きていくのに必要なものは、住んでいる環境や生活の仕方で全然違う」
というイメージがぽわーっと浮かびあがって、
なんだか哲学めいた気分になったぽんすけでした。
まとめ
☑ アボカド染め=アボカドの種から抽出した染色液+ミョウバン
☑ 同じピンク色でも、植物によって色合いは全然違う
「アボカドの種でピンク色に草木染め!」いかがでしたでしょうか?
普段の生活ではゴミになってしまうアボカドの種から、素敵なピンク色コースターを作ることができます☆
料理の合間にもできる実験なので、ぜひご自宅でやってみてください!
おあとがよろしいようで。
家庭科系の自由研究シリーズ
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=参考文献=
浅海真弓(2017)「アボカド種子で染めた布の色彩的特徴」,『鹿児島県立短期大学紀要. 自然科学篇』 68号,p.1 – 11.