ぽんぽこぽん!ぽんすけです。
お読みいただきありがとうございます。
今日の記事のテーマは、冬のクリスマスシーズンになると、100均で大量に出現するこちら。
まつぼっくり!
・・・のお話ではなく、1年前から読者さんには(多分)おなじみなヒノキぼっくりのお話です。
松ぼっくりは、松の木に生える果実のようなものなのですが、松の木だけでなく、ヒノキの木にも果実っぽいのができるのです。
こちらを通称、ヒノキぼっくりと言います!
※詳しくは「「ヒノキぼっくり」で工作してみよう!」をチェックしてみてくださいね。
本日の記事は、こちらの「ヒノキぼっくり」をじっくり観察してみよう!をテーマに、理科っぽいお話をしていこうと思います。
結論からお話すると、ヒノキぼっくりは、
ヒノキの種(赤ちゃん)を守ったり、
クモの卵と赤ちゃんを守ったり、
すごーくたくさんの役割を果たすお母さんでした!
では、はじまりはじまり~☆
ヒノキぼっくりを拾って、観察してみた
まずは、ヒノキぼっくりを拾ってきます。
ヒノキぼっくりは、ヒノキの木に超たくさん生えています。
茶色いのが全部ヒノキぼっくり!
木の下を見ると、たくさんのヒノキぼっくりを見つけることができます。
ヒノキぼっくりじっくり観察しようと、手の中でコロコロしていると・・・
あっ!
ぽろっと種が取れました!
ヒノキぼっくりのどこに種がついていたのでしょうか?
もう一度、別のヒノキぼっくりで観察してみます。
じーっ・・・・
・・・
・・・・
おっ!?
写真では見づらいかもしれませんが、ヒノキぼっくりの隙間に羽状の種が見えます!
ピンセットで羽をつまんで取ると、ポロっと種を外すことができました。
ここでちょっと実験。
こちらのヒノキの種を、高いところから落としてみます!
どんな風に落ちていくか、想像できますでしょうか?
実は、ヒノキぼっくりの種は、まっすぐ落っこちず、小さな円を描きながら落っこちていくのです。
・・・ん?動画で見たいって?
動画で撮ろうとしたのですが、種が小さすぎて、うまくいきませんでした(ごめんなさい)!
まつぼっくりの種も同じ動きをするので、どんな風に落っこちるかを見てみたい方は、まつぼっくりでやってみてください。
ここで、突然ですが、読者さまへの挑戦状!
なんで、
ヒノキぼっくりの種は、
クルクルと落っこちるのでしょうか?
実は「クルクルと落っこちる」のって、ヒノキぼっくりが子孫を残していくためにとっても大事なことなんです。
クルクル落ちるのは、風に種を運んでもらうため「ヒノキの種は、遠くに飛びたい!」
さて、いきなりタイトルでネタバレしていますが、これが答え。
ヒノキの種がクルクル落ちるのは、風に種を運んでもらうため!です。
具体的にどういうことか、説明してみます。
種がクルクル落ちるのと、真下に垂直に落ちるのとでは、滞空時間が違います。
クルクル落ちる方が、滞空時間が長くなるのですね。
滞空時間が長いと、ヒノキにとってすっっごくいいことがあります。
それは・・・
風によって、種が遠くまで運ばれる!
実はヒノキって、子供(幼樹)のときは、日陰でも育つのですが、大きくなると日向でないと育たないのです。
※余談:日陰で育つ植物を陰性植物、日向で育つ植物を陽性植物と言います。
ヒノキの種が、もし、真下に落ちてしまうと、母親ヒノキの真下に落ちることになります。
母親ヒノキの真下は、当たり前ですが、日陰です。
小さいうちは成長できますが、大きくなると成長することができません!
だから、ヒノキの種は遠くまで飛びたい!のです。
そこで、ヒノキが取った生存戦略が「羽を生やしてクルクル落っこちる!」なのです。
更に、種が「クルクル落っこちて」「遠くまで飛ぶ」、もう一つ、理由があります。
ヒノキの種が遠くまで飛ぶことができると、もしかしたら、ヒノキにとって、生育しやすい環境に種がいきつくかもしれません。
ヒノキの母親がいたところよりも、もっと居心地よく過ごせる場所を見つけられるかもしれないのです。
「クルクル落っこちる」は、ヒノキにとって新天地を探す旅!のための必須な能力だったのですね。
さて、ここで、ここだけのお話。
なんと、ヒノキには新天地を探すためのさらなる工夫があります。
では、それがわかる実験をご紹介します。
「ヒノキぼっくり」が濡れるとどうなる?「かさが閉じる」
ヒノキの種が新天地を探すために、ヒノキぼっくりに備わる、すごい能力をご紹介します!
では、実験です。
やることは、超シンプル。
ヒノキぼっくりを用意して、水にドボン!
このまま、放置してみてください。
ちなみに、このとき、ぽんすけは、実験していることをうっかり忘れてしまいました☆
丸2日放置しましたが、それでもOK!
水から、ヒノキぼっくりを取り出します。
じっくり観察してみてください。
・・・
・・・実は、水に入れる前後で、変わったところがあります!わかりますか??
・・・
・・・わかんねーよ!
と、ぽんすけも思うので、水に入れる前後で画像を並べてみます。
【左】乾いた(水に入れる前)ヒノキぼっくりで、
【右】濡れた(水に入れた後)ヒノキぼっくりです。
濡れたヒノキぼっくりの「かさ」が閉じているのが、わかるでしょうか?
乾いたヒノキぼっくりは、「かさ」が開いて、隙間がたくさんできています。
一方で、濡れたヒノキぼっくりの「かさ」はキュッと閉じられています。
では、ここで、問題!
ヒノキぼっくりの「かさ」は何で濡れると閉じるのでしょうか?
濡れると「かさ」が閉じるのは、やっぱり種が遠くに飛びたいから!
実はこの問題、今までのお話から推測することができます。
ということで、今までのおさらい!
☑ ヒノキぼっくりの「かさ」と「かさ」の間に種が入っている
☑ ヒノキぼっくりの種はクルクルと回りながら落ちる
→滞空時間を延ばして、自分の種を遠くに飛ばしたいから
この2つがヒントです!
では、なぜ濡れると「かさ」が閉じるのでしょうか?
・・・
・・・・
え?わからない?
ご安心ください。ぽんすけもわかりませんでした!
実はこのお話、さながらぽんすけが発見してお話しているようですが、知り合いの学校の先生に教えていただいたのです。
※観察・実験・写真撮影と解説文をぽんすけがやりました。
とっても素敵なお話だったので、思わずブログにしてしまいました☆
・・・と書けば美談のように聞こえますが、実際のところは・・・
おいしく手柄の横取りです!
この後も、さながらぽんすけが発見したように書きますが、見捨てずお付き合いください(教えてくれた先生から許可はもらいました。ありがとう先生!)。
閑話休題。
では、改めまして、なぜヒノキぼっくりの「かさ」が濡れると、「かさ」が閉じるのでしょうか?
これは、ヒノキぼっくりが「どこ」にいるかを考えてもらうと、わかります。
「どこ」って何?公園?山?とお考えの方。
大正解!
その解答、もう少し巨視的に見てみると、ヒノキぼっくりは「外」にいますね。
ヒノキぼっくりが外にいる、ということは・・・
晴れの日は乾燥した空気にさらされて、雨の日はしっとり濡れてしまうことになります。
ここで、種のことを考えます。
種は遠くまで飛ぼうと、羽まで生やしているのです。
雨の日に飛ぶよりも、晴れの日に飛んだ方が、遠くまで飛べるに決まっています。
そこで、ヒノキぼっくりは、一計を案じます。
晴れて乾燥した日に、種が飛ぶようにすればいいじゃない。
こうして、晴れたら種が飛べるように「かさ」が開き、雨の日でヒノキぼっくりが濡れたら、種が飛べないように「かさ」が閉じるようになったのでした。
ヒノキぼっくりは、種が遠くに飛べるように管理する、
管制塔みたいなヤツだったのです!
ヒノキぼっくりを利用する虫たち
ヒノキぼっくりはすごい生存戦略を持っていました!
でも、ヒノキぼっくりの世界はさらに広がりを見せます。
別の、ヒノキぼっくりをよくよく観察してみます。
・・・
・・・・
ん?
せっかくなので、もう一つのヒノキぼっくりも見てみます。
中央に白い皮状のものがあるのにお気づきでしょうか。
これ、なんと、クモの糸!
さらに素敵なものを、ご覧にいれましょう。
卵だ・・・っ!
ヒノキぼっくりの隙間に、割れた卵がありました。
調べてみると、カメムシの一部の種類がヒノキぼっくりを利用して産卵するとのこと。
更に、その卵から産まれたカメムシや、母親カメムシをクモがモグモグするそうです。
残念ながら、この卵が本当にカメムシの卵かはわかりませんでした。
でもでも、ヒノキぼっくりは、種を守るだけでなく、卵を守ることもわかりました。
更に、その卵を狙ってクモまでやってくるのです。
ヒノキぼっくりの小さな世界に、とっても複雑で素敵な世界が広がっているのですね!
おわりに「実験・観察は、特別なことをしなくてもできる!」
『「ヒノキぼっくり」をじっくり観察してみよう』いかがでしたでしょうか?
実験・観察と聞くと、準備がすっごく大変で、とってもハードルの高いもののような気がしてしまいます。
でもでも、ヒノキぼっくりは公園で簡単に拾えます。
観察・実験に必要なのは、あなたの目と水とコップだけです。
どうぞ、ご自宅で楽しい実験ライフを!
おあとがよろしいようで。
参考文献:ヒノキ採種園でのカメムシの発生生態と防除
www.ziyukenkyulab.com
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