実は難しい「色水で花を染める実験」をサクッと成功させたいあなた
ぽんぽこぽん!
サイエンスコミュニケータのぽんすけです。
お読みいただきありがとうございます。
先日、【プロ監修】学年別!ピッタリが見つかる自由研究テーマ100選と言う記事を書いたんですね。
この記事で、「色水で花を染める自由研究テーマ」をご紹介しています。
かなり一般的なテーマなので、サクッと成功できると思っていたのですが・・・
・・・・
2回実験に失敗しました!!!!
ええええええ!!!
どのネットの記事を見ても、簡単ってかいてあるのにぃぃぃいいい!?
ぜーんぜん、染まる気配がありません。
そこで、試行錯誤してみまして・・・どうにか失敗なしに染める方法を発見!
ということで、本日の記事は「成功率UPする花を色水で染める方法」。
必要なものは、100均素材とお花のみ。
部屋も汚れず簡単にできる!と思った方法をご紹介していきます。
では、はじまりはじまり~☆
準備するもの
まずは、準備するものをご紹介していきますね。
色水で花を染めるには、次のものが必要です。
1)花。カスミソウがオススメ(安くていつでも手に入る。ドライフラワーにして、学校で展示できる)。
染まりやすい花は、カーネーション・ガーベラ・カスミソウです。
雑草のシロツメクサやハルジオンも、すごく染まりやすいです。
花が染まる仕組み上(後述)、葉が残っている切り花の方が、染まるのは早いです。
2)花瓶(空き瓶や500ml ペットボトルでOK)
3)100均の水性インクのもと
ネットで「色水で花を染める方法」を検索すると、『食紅で染める』『100均のプリンターインクで染める』と書かれていますが、もし、あなたが実験慣れしていないのでであれば、オススメしません。
【理由】
・販売されている食紅の種類によっては、製菓用に添加物が入っている場合もあり、うまく染まらないことがあります(ってか、ぽんすけ、多分それで失敗した)。そして、食紅、意外と売ってない!!!!!
・プリンターインクの種類によっては、染めることができません。どうしてもプリンターインクを使いたい!というのであれば、必ず水性染料と書かれているものを使ってください。
絵の具ではできません!
花に吸わせる色水は「水性染料」と呼ばれる種類のインクでないとNG。
お次は、色水で花を染める方法と、実際にやってみた様子をご紹介していきますね。
今回の記事では、カスミソウを染めた様子をお見せしていきますね(他の花も同じやり方でOK)。
いったんCM!
色水で花を染める方法&実践!
花に色水を上手に吸わせるには、次のようなやり方をします
①色水を準備する
②花を買ってくる(もしくは拾ってくる)
③水切りをする
④色水に花を入れて、一晩待つ
一つずつ解説していきますね。
①色水を準備する
まずは、色水を準備します!
1:1の割合で水とインクを混ぜてください。
※もし濃く染めたい場合は、原液でもOKです。
もし食紅を使いたい場合は、可能な限り濃い液を作ってください。濃度が薄いと染まりません。
準備した色水を花瓶に入れておきます。
※我が家に花瓶がなかったのでペットボトルを使っています
②花を買ってくる(拾ってくる)
次に花を準備します。
今回の実験では、カスミソウ・シロツメクサ・ハルジオンの3種類やってみました!
・・・・え?
「なんで定番のバラ・カーネーション・ガーベラでやらなかったの?」ですって?
・・・白いのが売ってなかったのです!!!!
カスミソウと雑草は庶民の味方なお花!
③水切りをしてすぐに色水へ
水切りとは、水の中で茎を切ること!
コップに張った水の中で、茎を切ってください。
水切りのコツは・・・
なるべく鋭いハサミで、斜めに切る!
です。
切断面に水滴が残っているうちに、色水が入ったペットボトル花瓶にいれます。
素早くやってくださいね!
④1時間から半日待つ
あとは放置するだけ!
花の色が変化するまでは、花の種類によりますが、1時間~半日です。
シロツメクサは1時間、カスミソウは4時間、ハルジオンは半日でした。
花よりも先に葉っぱから染まります。
半日待っても、花も葉っぱも染まっていなかったら、もう一度同じ手順でチャレンジしてみてください。
片付けかた
色水は、新聞紙やティッシュなどで吸い取って可燃ごみでOK。
瓶は絵の具みたいに、ふつうに洗って大丈夫です。
CM!
花が染まる仕組み
お次は花が染まる仕組みを解説していきますね。
日本植物生理学会「みんなのひろば」植物Q&Aによると、ズバリこんな風に解説されています。
水に溶けた色素は水と一緒に道管などのネットワークによって植物の体内を移動し、水の分子が体の表面(気孔など)から蒸発(蒸散)して失われる結果として色素が取り残されて貯まる(染まる)と言うわけです
引用元:https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=5166
ちょっと難しいですね。もう少し簡単に言い換えてみます。
花が染まる仕組みは以下の通り。
①色水が、植物の道管(根から吸い取った水や養分の通り道)を通る
②水が気孔などの植物体の表面から、蒸発する
③色水に含まれる色素は、蒸発せずに、植物体の中に残るから花が染まる
もっと詳しい仕組みは、花びらの外側が染まりやすい理由について(日本植物生理学会公式HP)を参考にしてみてください!
色水で花を染める自由研究の実験&考察案
最後に、みんなが頭を悩ませる考察案をご紹介!
①色々な花を染めてみて、染まるまでの時間を調べる。
→(予想される結果)花によって染まるまでの時間が違う。雑草の方が染まるのが早い。
→(考察)雑草の方が、水を吸う能力が高いことが多いから?蒸散能力が高いから?
②葉っぱをつけたままの花と、葉っぱを切り落とした花で同じように実験する。
→(予想される結果)ハッキリとした色に染まるまでの時間が変わる。もしくは、片方が染まらない
→(考察)葉っぱがある方が、たくさん蒸散するから。
おあとがよろしいようで。