2021年5月7日【追記】:桜染めでピンク色にならないときの対処法をまとめました。
ぽんぽこぽん!ぽんすけです。
お読みいただきありがとうございます。
3歳の息子といつものように公園にいってみたら、満開の桜が!
いよいよ春だなーと感じるこの頃です。
さて、本日は、そんな春を全力で感じる実験「桜染め」のお話です!
ご家庭で簡単にできる方法をご紹介していきたいと思います☆
用意するもの
1)桜の枝
地面に落ちているものを拾ってきてください。
スーパーのビニール袋に7割入る程度に拾っておけばOK。
枝のサイズは鍋に入る程度のものがオススメ!
・折ったときに、折れにくい枝
・ほんのりと赤っぽい枝
が桜色にきれいに発色します。
2)布(木綿)
今回の記事では木綿の布を染めます!2種類用意しました。
1つ目は100均で購入した綿100%の花柄レース。
2つ目は赤ちゃん用のガーゼハンカチです!
3)鍋
ご自宅にあるものをどうぞ!
ただし、アルミ鍋は使わないでください (うまく染まらない可能性があります)
草木染めの本で確認したところ、普段の調理に使っているものでもOKのようですが、気になる人は、別途ご用意ください(ダイソーで500円程度で売っています)。
今回はステンレス製の20 cm鍋を使いました。
4)バケツ
染料を一時的に保管するのに使います。
子供用のお砂場セットのバケツでも十分!
5)割りばし
布を染めるときに使います。
普通のはしでもOKですが、色移りしてしまう可能性があるので、使い捨ての割りばしがオススメです。
6)はかり
手軽な電子ばかりがオススメ。1kg以上計測できればOK!
7)ネット
染料から、枝をこしとるときに使います。
今回はボロボロで捨てようと思っていた洗濯ネットを使いました。
排水溝ネットとかでも代用できます!
9)ミョウバン
「【簡単・半日で完成】ミョウバンで大きな結晶を作ってみよう!」でも使った焼きミョウバンです。
お漬物コーナーに売ってます。
10 gご用意ください。
桜から抽出した染色液を布にくっつけるのに使います。
10)豆乳
「【15分で簡単!】豆乳とにがりから豆腐を作ってみよう!」でもお世話になった豆乳です。
無調整豆乳をご用意ください。
ハンカチやレースを染める程度なら、200 mlあれば十分!
11)ボウル
豆乳や、水、布を入れるだけなので、ご自宅にあるものでOK!
12)重曹(粉末)
お掃除用のものでOKです。6 gご用意ください。
桜染めのやり方
木綿の布を桜染めをするには3つの段階があります。
0)植物性の布に染料がくっつくようにする(濃染処理)
1)桜の染料を作る
2)布に染料がくっつくようにする(媒染する)
3)布を染める
※シルクや羊毛など、動物性の布を染めるときは「0)濃染処理」は不要です。「1)桜の染料を作る」から作業をしてください。
0)植物性の布に染料がくっつくようにする(濃染処理)
① 布を水にひたしておきます
② ボウルに豆乳200 mlに水を3カップ(600 ml)を入れます。
(布がつかる程度の液量を用意してください)
このボウルに水気をしぼった布を投入!
布を液につけて、15分ほどもみます。
③ そのまま絞って、天日干しして乾かしてください。(浴室乾燥機でもOK!)
ここでちょっとサイエンスな小話。
このように、植物性の布に、たんぱく質を含む液体(豆乳)で処理する工程を、「濃染処理」と言います。
草木から抽出した染料は、布の表面にあるたんぱく質に結びついて、染まります。
しかし、植物性の布の表面には、十分なたんぱく質がありません。
そこで、たんぱく質が豊富な豆乳で布を処理することで、布にたんぱく質をくっつけてあげます。
しっかりと布が染色されるようにしてあげるのです。
逆に言うと、絹や羊毛などの動物性の布はたんぱく質でつくられているので、豆乳での処理は不要となります!
1)桜色の染料を作る
軽く枝を水洗いして、泥を落とします。
1500~2000 ml 程度のお湯をわかして、桜の枝&重曹(6 g)を投入!
(水量は鍋のサイズで調整してください)
40分ぐつぐつ煮ます。
10分も経つと、家中がとてもすてきな桜のにおいになります!
横で遊んでいた息子が「桜餅たべたい」なんて言うのを聞きつつ、ぐつぐつぐつぐつ・・・
40分経過したのがこちら。
無色透明だった液体がほんのりと赤くなっています。
拾った枝によっては、黄色くなることもあるようです。
粗熱が取れたら、バケツにネットをひっかけて、枝をこします。
桜の染料のできあがりです!
2)布に染料がくっつくようにする(媒染する)
布が浸かるくらいの量のお湯を沸かして、ミョウバン10 gを入れ、ミョウバン水を作ります。
布をミョウバン水に入れて、10分間弱火で煮ます。
ときどき割りばしでつついて、布をムラなくミョウバン水に浸してください。
煮終わったら、布を手で絞っておきましょう!
3)布を染める
いよいよ染色します!
バケツでとっておいた染色液と布を鍋に入れて、強めの弱火で20分煮ます。
煮ている間は、布を割りばしで動かしてください!色ムラが減ります。
ぜひ、ここでも広がる桜の香りを堪能してくださね☆
20分煮ると、布に色がうっすらとついてきます。
火を止めて、2時間放置して冷やしてください!
染色液から布を出して、しっかり絞ったら、
余分な染色液を水洗いしてください。
水洗いをしたあとも、しっかり布に色がついています!
あとは、これを陰干し、もしくは室内干ししてをしてください!
完成です☆
桜染めの作品例
レースを染めた結果がこちら!
上が染色前、下が染色後です。
かわいらしいピンクベージュに染まっています。
せっかくなので、レジンを使って簡単なアクセサリーにもしてみました!
優しい色合いが春らしくて、素敵な感じに仕上がります!
赤ちゃん用のガーゼハンカチも、ムラなくピンクベージュに染まりました☆
桜染めをしてちょっと気になったこと
気になるポイントその1「糸がほつれる!」
布の縫製の仕方によっては、染色の合間に糸がほつれてしまう点は残念。
染める布は、縫製がしっかりしているものがよさそうです。
気になるポイントその2「ちょっと豆臭い?」
豆乳で濃染処理をしているからか、仕上がった布からほんのり豆のにおいが・・・
臭くはないのですが、気になる人はご注意です。
一度、洗濯をしたらにおいはなくなりました。
気になるポイントその3「初回の洗濯は色うつり・色落ち注意!」
桜染めのガーゼハンカチを洗濯したら、一緒に入れていた肌着のシャツがほんのりピンク色に・・・ガーゼハンカチも若干色落ちしていました。
2回目以降は大丈夫そうですが、洗濯前の方がキレイに発色していました。
染めたての色を大事にしたい方は、手洗いをする、もしくは、洗濯しないアイテムを染める方がよさそうです。
桜染めでピンクに染まらないときの対処法
桜染めをしてみたのに、ピンク色に染まらないなんてがっくりしちゃいますよね。
でも、その染色液は捨てないでください!
次の方法で、ピンク色に染まる可能性があります。
染める布をシルクなど動物性の布にする
木綿などの植物性の布よりも、動物性の布の方が圧倒的に染まりやすいです。
ぜひ、シルクや羊毛などの動物性の布を使って染めてみてください。
ミョウバンを水にきっちり溶かす
ミョウバン水が白濁していませんか?
ミョウバンがしっかり水に溶けていないと、ほとんど染まりません。
60度以上のお湯でミョウバンをしっかりと溶かしてください
桜染めの原理「なんで染色液で布が染まるの?」
さて、ここで読者のみなさまに問題です。
桜の染色液につけて、桜色に染まった綿の布があるとします。
水で洗っても桜色の布のままでしょうか?
答えはNO!
水で洗った瞬間に、布はもとの色に戻ってしまいます。
では、桜染めってどんな原理が働いているのでしょうか?
桜の枝に含まれている桜色の成分(色素)はお湯で煮出すことができました。
つまり、桜の色素は、水に溶けやすい性質を持っています。
染色液に布をつけただけでは、あっというまに色落ちしてしまうのです。
そこで、布の中に染み込ませたミョウバン(硫酸アンモニウムアルミニウム)が大活躍します!
水の中にミョウバンが解けると、アルミニウムイオンとその他のイオンにわかれます。
このアルミニウムイオンは、色素を見つけると、思わずくっついてしまうのです!
※これを難しい言葉で、錯体形成といいます
アルミニウムイオンと色素が合体したモノは、水に溶けなくなります。
つまり、水に溶けたミョウバンが、布の中に色素を閉じ込めてしまうのですね。
桜染めって、ご家庭で簡単にできるだけでなく、サイエンスのエッセンスがたくさん詰まった、立派な科学実験なのです☆
まとめ
☑ 桜染め=桜の枝から抽出した染色液+ミョウバン
☑ 桜染めもサイエンスの極み!
「桜の枝を使って桜染めをしよう!」いかがでしたでしょうか?
桜染めは、目だけでなく、鼻や手触りでも春の訪れを感じられる素敵な科学実験です。
しかも、実は、布を染める「染色の世界」って奥深くて、
さまざまな大学でも研究が盛んにおこなわれています。
「桜染め」という、古くもあり、最先端でもある科学実験の世界を、ぜひご自宅でのぞいてみてください!
おあとがよろしいようで。
冬にもやってみました▼
アボカドでも染めてみました▼
ゴーヤで失敗しました▼
自宅で豆腐作り▼
卵に模様作り▼
今回使ったミョウバンで結晶ができます▼
塩の結晶実験▼
=参考文献=
草木染めレッスン帖 (レディブティックシリーズno.4401)
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