どーぶろえ・うーとろ!ぽんすけです。
スーパーや100円均一で手に入るもので結晶を作ってみよう!と思い立ち、
「塩・砂糖・ミョウバン・ワイン・カルキ抜きで大きな結晶を作ってみよう!」
というテーマで自由研究をしています。
今回の記事では、ミョウバンや塩の結晶ができる原理をご紹介します!
ところで、「ミョウバン 結晶 原理」や「塩 結晶 原理」とGoogleで検索をすると、
原理を解説しているサイトをたくさん見つけることができます。
しかし、ネットの検索でヒットする多くのサイトは、
専門用語が使われている場合が多く、理解するのが意外と大変!
そこで、このページは「小学校高学年でも理解できるように」をコンセプトに書いています。
なので、難しい専門用語は、一切使っていません。
「飽和水溶液って何?」
「再結晶って何?」
という方にも安心して読めます。
結晶ができる原理がわからなくて困っている中高生のみなさんや、
結晶作りの自由研究をお手伝いされている保護者の方。
この記事を参考にしていただけるとうれしいです。
結晶ができる原理を理解するには、3つのPOINTを抑える必要があります!
では、ミョウバンを例にして、順番に紹介していきますね(塩の結晶の原理も同じです!)。
POINT1 ミョウバンが水に溶ける最大量は決まっている(ただし温度一定)
砂糖が水に溶けるように、ミョウバンも水に溶けることができます。
では、水に入れるミョウバンの量をどんどん増やしていっても、
ミョウバンは際限なく水に溶け続けるのでしょうか?
例えば、100 gの水に1 gのミョウバンが溶けるとします。
では、100 gの水に100 kgのミョウバンは溶けるでしょうか?
答えは、NO!
実は、ある量の水にミョウバンを溶かすとき、
「ミョウバンが水に溶ける最大量は決まっている(ただし、温度一定)」
という決まりがあります。
上の例でいうなら、100 gの水に1 gのミョウバンは溶けても、
100 kgのミョウバンは溶けないのですね。
ぽんすけはこちらの焼きミョウバンを使って結晶を作っています。
焼きミョウバンの場合、100 gの水(水温20℃)に対して、で最大5.9 g溶けます。
つまり、100 kgミョウバンを入れても、絶対に溶け残る!
ということで、
ミョウバンが水に溶ける最大量は決まっている
(ただし温度一定)
この決まりを覚えておいてください。
POINT2 水の温度が上がると、ミョウバンが水に溶ける最大量は増える
さて、さきほどのPOINT1で
ミョウバンが水に溶ける最大量は決まっている
とご説明しました。
その文章の後ろに(ただし温度一定)と記載されていたのにお気づきでしょうか?
実は、
水の温度が上がると、ミョウバンが水に溶ける最大量は増えます!
先ほどの焼きミョウバンの例でいくと、
水温が20℃の場合、100 gの水に最大5.9 g溶けるのですが、
水温が30℃になると、100 gの水に最大8.4 g溶けるのです。
実は、この法則は塩や砂糖にも当てはまります!
ぜひ覚えておいてください。
ところで、この水温と溶ける量に関してですが、
ミョウバンには特徴的な性質があります。
ミョウバンは、水温が60℃を超えたあたりから、急激に溶ける最大量が増えるのです。
水温が20℃では5.9 gしか溶けないくせに、
水温が80℃になると、72 gも溶けます。
水温が上がるだけで、10倍以上も溶けるようになるのですね!
参考にNHKの動画↓をどうぞ。
水温によって、ミョウバンの溶ける量が大きく変わることが視覚的にわかります。
POINT3 水の温度が下がると、ミョウバンが水に溶ける最大量は減る
これは、POINT2の応用です。
水温が上がれば上がるほど、ミョウバンが溶ける最大量は増えます。
つまり、逆に水温が下がれば下がるほど、ミョウバンが溶ける最大量は減るのですね。
これも結晶ができる原理を理解するためには、必要なポイントになるので、覚えておいてください。
まとめ
POINT1 ミョウバンが水に溶ける最大量は決まっている(ただし温度一定)
POINT2 水の温度が上がると、ミョウバンが水に溶ける最大量は増える
POINT3 水の温度が下がると、ミョウバンが水に溶ける最大量は減る
POINTを抑えられましたか?
では、続きまして、結晶ができる原理をご紹介します。
結晶ができる原理
みなさま、想像してください。
80℃のお湯を用意します。
そのお湯にミョウバンが溶ける最大量のミョウバンを入れます。
このミョウバン入りのお湯を20℃まで冷やしたら、どうなるでしょうか?
80℃のお湯に溶ける最大のミョウバン量は72 gです。
72 gのミョウバンを80℃のお湯に入れて、ミョウバン水を作ります。
このミョウバン水を20℃まで冷やすと、問題が発生するのです。
だって、20℃の水には5.9 gしかミョウバンは溶けないのです。
つまり、
72 g(80℃の水に溶けているミョウバンの量)-5.9 g(20℃に溶ける最大量)
=66.1 g(20℃では溶けきれないミョウバンの量)
66.1 gのミョウバンの行き場が失われてしまいます!
では、66.1 gのミョウバンはどこに行くのでしょうか?
鋭い方はお気づきかもしれません。
そう、これが結晶になるのです。
つまり、ミョウバンの結晶は、
ミョウバンがたくさん溶けた高温の水を、
低温にすることで、
溶けきれなくなってしまったミョウバンなのです!
最初は水に受け入れてもらって、居場所があったミョウバン。
水温が下がったことで、居場所のなくなったミョウバン。
そんな、迷子で、行き場のないミョウバン。
・・・それが美しい結晶になるのです。
そう考えると、なんだか尊いものに感じる不思議!
結晶ができる原理は、以上になります。
参考になりましたら、うれしいです。
ミョウバンの結晶を実際に作ってみました▼
塩の結晶でつくるキラキラモール実験▼