こんな人にオススメ▼
・凝固点降下の根本的な原理を知りたい方。
・凝固点降下の原理を調べたけど、何が起こってるかわからない方
ぽんぽこぽん!ぽんすけです。
お読みいただきありがとうございます。
本日の記事は、塩と氷でアイスをつくる実験でご紹介した「凝固点降下」の原理を簡単に解説していきます。
念のため、凝固点降下の定義をお話しておきます。
凝固点降下とは?
液体に他の物質を溶かしたときに、凝固点が低くなる現象のこと
こんな風に一言でまとまっちゃっていますが、正直、日本語でOKですよね。
そこで、今回は塩と氷を例に、凝固点降下の原理を解説していきます。
では、はじまりはじまり~☆
【前提知識】なんで水に氷を入れると水温が0度になるの?
まず、凝固点降下の説明をする前に、ひとつ前提知識のお話をさせてください。
水に氷を入れると、水温が低くなるのはご存じかと思います。
水に氷を入れると、水温が0度になるのもご存じでしょうか。
でも、それ以上、温度が下がることはありません。
そもそも、なんで水に氷を入れると、水温が0度になるのでしょうか?
まずは結論。
水+氷→水温が0度になる理由▼
融解による吸熱速度と、凝固による発熱速度が0度で一定になるから
では、具体的に水と氷の間の世界から、水温が0度になる理由を解説していきます
↑の図の青い斜線部分を拡大してみていきますよー。
氷が融解するときは「吸熱反応」
氷と水が触れている部分(↑青い斜線部分)では、氷が水に溶ける反応が起こっています(=融解)。
氷は融解するときにエネルギーが必要です。
そのエネルギーとして、周囲の熱を吸い取っちゃいます(=吸熱反応)。
『氷が水になると、吸熱反応が起こる』ということをまずは押さえてください。
水が凝固するときは「発熱反応」
氷と水が触れている部分で起こっているのは、融解だけではありません。
水が氷になる『凝固』が起こっています。
水が凝固するときは、エネルギーがいりません。
むしろ、余分なエネルギーをポイっと捨ててしまいます。
なので、水の凝固では、周囲に熱放出します(=発熱反応)。
これまでのまとめ▼
・氷が水になると、吸熱する(=融解熱は吸熱反応)
・水が氷になると、発熱する(=凝固熱は発熱反応)
水に氷を入れると0度になる理由「融解の吸熱速度=凝固の発熱速度が一定になるのが0度だから」
水に氷が入っているとき、融解による吸熱反応と、凝固による発熱反応は常に起こっています。
水の場合、吸熱反応と発熱反応のスピードが同じになるのが、水温0度(=平衡状態となる)。
言い換えると、水と氷が一緒にいる限りは、吸熱速度と発熱速度が0度で一定になっています。
これまでのまとめ▼
・氷が水になると、吸熱する(=融解熱は吸熱反応)
・水が氷になると、発熱する(=凝固熱は発熱反応)
・水温が0度のとき、吸熱速度と発熱速度が釣り合う
では、お次は、凝固点降下で何が起こっているか解説していきます!
なぜ水+氷+塩で凝固点降下が起こるのか?
水と氷の中に、塩がつっこまれると何が起こるのかを解説!
当たり前ですが、塩は水にのみ溶けます。氷には解けません。
ここで、実は、塩が一部の凝固を邪魔します。
もう一度思い出してください。
・水が氷になると、発熱する(=凝固熱は発熱反応)
でしたね。
つまり、凝固が邪魔されると、発熱速度が下がってしまいます。
一方で、融解は邪魔されていないので、吸熱速度はそのまま。
すると、水と氷の世界で、吸熱速度>発熱速度となり、周囲の熱量をどんどん奪うようになります。
これが凝固点降下!
塩+氷水で水温が下がる理由です。
今日のまとめ
最後に、今日のおはなしをまとめます!
凝固点降下とは?▼
液体に他の物質を溶かしたときに、凝固点が低くなる現象のこと
凝固点降下の原理(水と塩を例に)▼
・水の中の塩が凝固を邪魔する
・凝固が邪魔されたことで、吸熱速度>発熱速度となる
・周囲の熱量が奪われるため、水温が下がる
・吸熱速度=発熱速度となったときに、水温が一定となる
参考になりますように!
おあとがよろしいようで。