学振(日本学術振興会特別研究員・DC1&DC2)に応募する方
申請書をとりあえず書いてみた方
ぽんぽこぽん!ぽんすけです。
お読みいただきありがとうございます。
学振の書類は進んでいますか?
おっ。明日が締め切りですか。なかなか攻めますね!
さて、今回の記事は「学振申請書を書きだす前に準備すべきこと3選」に引き続き、学振の書き方シリーズ第2弾。
申請書を書く内容に関係なく、絶対に押さえなくてはいけない「文章の体裁」についてお話していきます。
申請書の締め切りが迫っていて「内容の変更なんてムリ!」という方にも、オススメの記事です。
ぜひ、お手元に申請書を用意して、チェックしながら記事を読んでみてくださいね!
ぽんすけは、現在、細々とブログ運営をしているしがない主婦でございます。
10年近く前の学振採用者です。
ですが、5年前まで、学振指導をしておりました。
この記事は、そのときの経験を踏まえて書いています。
なるべく、研究世界で変わらない部分を書いているつもりですが、時代遅れである可能性があります。
必ず、指導教員や先輩にチェックしてもらいながら、申請書を書いてくださいね。
では、はじまりはじまり~☆
時制(過去形・現在形)はあってる?
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
まず、チェックするべきポイント。時制。
論文では、書く文章内容によって時制が決まっています。
申請書をチェックしてみてください。あなたの文章の時制は正しいですか?
一般的な時制の分類を紹介しておきますね。
▼現在形で書くもの▼
・考察や結論
・図表の解説
・先行研究の引用解説(例外あり)
・研究背景で述べるような一般的な知識
▼過去形で書くもの▼
・再現性が確認できない結果(実験や数値計算など)
・先行研究の引用解説のうち再現性のない結果
意外と時制を意識して書いている申請者は少ないものです。
時制を適切に記載するだけで、審査員がちゃんと読んでくれる可能性UP!
採用に近づけます。
「の」が連続してない?
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
あなたの申請書に
「本研究は、ぽんすけの自由研究のブログを参考に」
のように「の」が連続で使われている文章はありませんか?
「の」が連続で使われると、びっくりするくらい読みにくいです。
一文の中の「の」は1つだけにしましょう。
「の」以外にも、「に」「も」などの助詞も可能な限り減らすことをオススメします。
書き方ができる人コム「助詞「の」「に」「も」を別の言葉に置き換える」(外部サイト)が参考になるのでチェックしてみてください。
「漢字が5文字以上」つながってない?
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
ためしに、次の文章を読んでください。
「感染症予防実施によりインフルエンザ感染者数が大幅に減少した」
文章読むときに「うっ」ってなりませんか?
「漢字が5文字以上」つながると、かなり読みにくくなります。
(ぽんすけも、指導教員に中国語か?と突っ込まれました)
「漢字が5文字以上」つながった文章があったら、漢字と漢字の間にひらがなが入るようにしましょう。
今回の例「感染症予防実施」なら「感染症の予防を実施をすることで」。
「地球温暖化」のように一般的なワードや、あなたの研究を紹介するうえで、外せない専門用語は、もちろんOKですよ。
本当に断定していいの?
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
ちょっとわかりづらいので、実例を出していきます。
例えば・・・
「ぽんぽこ公園」にタヌキが大発生!
タヌキが木にイタズラして、木が枯れちゃうよぅ・・・公園管理にお金がかかる!!
早く、駆除しなきゃ。でも駆除する方法って色々な種類があるなぁ。
「ぽんぽこ公園」では、どの駆除方法がいいのか、調べてみよう!
・・・たぬきの脇腹をくすぐりまくるのが、一番、効果的な駆除方法だ!!!
・・・という研究があったとしましょう(実在しませんよ!)。
これを申請書風に書いてみます。
近年、ぽんぽこ公園において、在来種タヌキ(Nyctereutes procyonoides)が増加しており、莫大な経済的損失を生んでいることが指摘されている(ぽんすけ 2020)。
しかし、在来種タヌキの駆除方法は多岐にわたる。十分な駆除の効果を得ながらも、経済的な損失の少ない駆除方法を検討する必要がある。
本研究は、当公園において複数の駆除方法を実施することで、在来種タヌキの適切な駆除方法を推定した。
その結果、~うんたらかんたら~であった。
以上より、タヌキの脇腹をくすぐることが、当公園における適切な駆除方法である。
ここで問題。
この文章内に、不適切な部分があります。
どこだかわかりますか?
・・・
・・・
答え。
「タヌキの脇腹をくすぐるのが、当公園における適切な駆除方法である。」
なんでこれが問題だって?
「駆除方法である」って言いきって大丈夫なのでしょうか?
・・・本当?
再現性取れてる?他の研究者もやってみた?
一般論なの?違いますよね。
「再現性がないのに断定」している文章があったら、「推察される」「示唆される」といった「推定」の文章に書き換えましょう。
今回の例だと・・・
「タヌキの脇腹をくすぐることが、当公園における適切な駆除方法であると示唆される。」
あなたのその文章は「断定」しても大丈夫ですか?
引用を書いてる?
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
もう一度、タヌキ研究の例で解説。
近年、ぽんぽこ公園において、在来種タヌキ(Nyctereutes procyonoides)が増加しており、莫大な経済的損失を生んでいることが指摘されている(ぽんすけ 2020)。
この文章を・・・
近年、ぽんぽこ公園において、在来種タヌキ(Nyctereutes procyonoides)が増加しており、莫大な経済的損失を生んでいる。
って書いちゃったりしてませんか?
『莫大な経済的損失を生んでいる』という文章は、一般的な知識ではありません。
誰かがやった研究で得られた知識なハズ。
その場合は、引用を書く!
さらに、再現性が怪しかったら語尾は「断定」ではありません。
「指摘されている」などの、推定的な語尾にしてください。
あっ!
もし、引用するのが「ご自身でやった研究内容」であれば、ぜひ、自分の論文アピールをしましょう。
論文は研究分野への貢献です。
publish済みの論文があれば、すでに研究分野へ貢献していることがわかります。
研究世界は、変な言い方ですが「論文があってナンボのもん」。
論文を引用をすれば、審査員に、ものすごーくアピールできます。
もし、受理されていても出版されていなかったら「ぽんぽこ(in press)」と書きましょう。
投稿していれば「ぽんぽこ(投稿中)」投稿できていなくても「ぽんぽこ(投稿予定)」のように、「私、頑張ってるよー!」ということをアピールしちゃいましょう!
※注意※研究室の方針によっては(投稿予定)の記載をしない場合があります。必ず指導教員からOKもらってから書いてくださいね。
(あくまで経験上ですが(投稿予定)の文言を入れた=即・落ちることはありません。)
誤字脱字はない?
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
ぽんすけ、知ってる。
あなたが、「誤字脱字チェックなんて、当たり前じゃない!」「そんなもん、確認してるわ!」って思ってること。
でも、きみ、知ってるか。
第32稿まで書き直して、
誤字脱字チェックが5人以上いるのに、
「てにをは」が抜けてるのを提出日に気づいて、慌てて書き直したヤツがいることを。
その名は、ぽんすけ。
学振の審査は、振るい落とし審査です(予算が決まってるからね!)。
際限なく採用されるわけではありません。
つまり!
誤字脱字があったら、内容を読まれる以前に、落ちる。
と思った方がいい。
「え?ホント?」ってお思いの方。想像してください。
審査員は、一流の研究者です。
一番やりたいことは「自分の研究」。
審査なんて、二の次ですよね。
しかも、審査しなきゃいけない申請書はたくさんあります。
真面目に読む前に、誤字脱字があったら、さっさと落とせるわけです。
審査が簡単!
審査委員は、仕事がさっさと終わって自分の研究に集中できる。
大喜び。ひゃっほー!!!
もちろん、すべての審査員がこんな思考をお持ちかはわかりません。
ですが、なるべく「落ちる可能性」がある要素は取り除きましょう。
誤字脱字チェック。十二分に。
※このブログに誤字脱字があったら教えてください。
無駄な画像はない?(余裕がある人向け)
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
この項目は、〆切までに時間に余裕がある人向けです!
明日〆切の人は「まとめ」まで飛ばして読んでくださいね。
自分の申請書を眺めてください。
モデル生物の絵を、なんとなーく載せていませんか?
使用した機械の写真を、なんとなーく載せていませんか?
いりません。断言します。
もし載せていたら、消しちゃいましょう。
え?画像部分が空欄になっちゃった?
それなら、研究背景がわかるフローチャートを掲載しましょう。
研究背景は複雑で分かりづらいことが多いので、図があるだけで理解しやすい。
もし時間の余裕が無ければ、いっそのこと、研究データをはっつけましょう。
結果の文章をちょこっと直すだけで挿入できるハズ。
忘れないでください。
研究のキモは、あなたの思考です。ロジックです。
モデル生物や機械の写真は、あなたの語る研究のキモとは関係ありません。
無駄な写真や図は省きましょう。
▼参考:ぽんすけ的オススメな画像数▼
研究背景がわかる画像(フローチャートなど)1枚
研究の内容がわかる画像(フローチャートなど)1枚
研究データのキモとなるグラフ・写真1枚
今日のまとめ
時制(過去形・現在形)はあってる?
「の」が連続してない?
「漢字が5文字以上」つながってない?
本当に断定していいの?
引用を書いてる?
誤字脱字はない?
無駄な画像はない?
「学振の書き方|チェックすると得する「文章の体裁」をまとめてみた」いかがでしたでしょうか?
今回あげた項目は、さっさっとチェックできるわりに、意外と意識されない部分です。
内容に関係なく、あなたの申請書を合格へと近づけることができます。
ぜひ、チェックしてみてくださいね!
おあとがよろしいようで。